Unknown@Presence

色々あれこれ。

選択という選択。

30歳の冬。12月30日。前の日から飲み続けて3時過ぎに友人のマンションに転がり込み、マドンナのビデオを見ながら化粧も落とさずに爆睡した。 毎年どんどんひどくなる。そんな友人のため息混じりのセリフをぼんやり聴きながら年は開けて、さすがに酔いも覚め…

その19

ビルの前に赤城さんとスーツの女の人が立っていた。赤城さん、スーツそれ、上下が合ってないんじゃあ。 「今日は大変大事なお話があるんですう」 名刺を見せながら女の人が言う。はーん、役人ね。 「あ、あの行政法人ってありますけど、私天下りじゃないんで…

その18

「ねー、あんた赤はいないっていったじゃん」 赤城さんが家に電話してきたので、姉ちゃんが虐める。 「あかぎだけど、赤じゃないよ」「え、赤に城でしょ、普通」「なんか、アジアの亜に可能の可とか、そんなだよ。珍しいんだって」「へー」 赤城で正解だけど…

その17

家電に赤城さんから電話が掛かってきて、なんかむっとした。でもぐっとこらえた。 ビルの電気系統が故障したので、2日休んでくれないか、ということだった。日曜の夜なのに大変ですね、と電話を切る。大人になったなあ、私も。 2日分の時給は出るらしい。…

その16 幼な蜂の安寧

しょうこうぐち。そうそう。学校の下駄箱んとこ。昇降口っていうんだよね。 一面ガラスブロックだったよな。そうだ。みんなが靴の底立て掛けて喋ったりするから、一番下はいつも泥だらけだったんだよ。そうだ。 俺は高卒ってことになってる。でも、自分では…

その15 雄蜂の達観

実家のトイレのドアが開かなくなったら直してくれって留守電に入ってた。 電話をかけると、開かないというよりちゃんと閉じなくなってるみたいだった。水周りを建て増しした業者がいい加減だったらしくて、ドアの蝶番が合ってないらしい。 同じ業者に来ても…

その14 女王蜂の憂鬱

何のために働くか。今はピルのためだと言っとこう。 9ヶ月前に生理が止まって、友達に話したらさっさと病院に行けって怒られた。深刻な病気のことがある、すぐ行け今行けなんだったら病院紹介するまで言われたので、あわてて駅前のクリニックに行った。 男…

その13 知ったかぶり

白河夜船、ってどういう意味だっけ。 ググろうとして、やめた。たまには辞書でも引いてみるか。けど、どこ行ったっけ。 引き出しの中なのに、埃かぶってる。確か、PCのおまけについてたやつだ。箱に入ってて、字も大きくて見やすい。あ、そうだ、広告ついて…

その12 パーテーション

赤 にしても、なんであんな鼻が赤いんだろう。 そういえば、赤城さんはビルに入ってきたことがない。緊急連絡用っていいつつ三日おきに掛かってくるケータイで、外の喫茶店に呼び出される。赤城さんはいつもふうふう汗をかいていて、水ばっかり飲んでる。チ…

その11 スキミング

ID 男臭いっていうのは初めて聞いたよ。それとも、近頃のヤングの間ではそれが流行りなのか。 白川くんが言っていたことを、ちょっと考えてみる。 「それって、スキミング?」 確かに、三人とも大きな電機関係の会社がある駅の近くに住んでいる。 「私はID下…

その10 410点

ホール オレは410点だったよ。でもちょっと言い訳させてもらうと、マークシートがずれてるのに残り20分で気づいたからなんだ。だから2回目は520点になった。派遣会社によっては三千円で受験させてくれるので、年に一回は受けることにしていた。 でも、600を…

その9 495点

蜂 やっぱ武田さん、俺の母ちゃんよりも年上だ。 TOEICの話になって、俺が無料だったから受験してみたら495点だったって告白したら、武田さんは初めて受けた時は415点だったって言った。 「勝ったあ!」って言ってやったら、「私の高校時代に始まったんだから…

その8 ナミ

北 何かに似てるなあと思っていたら、最初に思っていたものだというのを思い出した。年か? いや、年を言い訳にするのはやめよう。ちょっとアホなだけ。 アホといえば、今日の貼紙はアホだったな。私の部屋のドアに貼紙が張ってあるのはいいのだが、「←→です…

その7 ユウヤ

西 今日はびっくりしたな。北口エロか。 三條電機はそのまんまだな。三條畑の手前に三條前があって、そこから三條電機の工場の人がどっさり乗ってくる。三人に一人はIDを首にぶら下げたままだ。写真もついてるのにな。外すように言われないのかな。 オレも入…

その6 タクト

東 ベースの弦が切れたので買いに行く。 ベースの弦にはニッケルとスチールがあって、一度スチールを使ってみたいけど高いのだ。もう一本ベースを買ってそっちにスチールを張れば弾き比べられるけど、そんなのは無理なのだ。 ベースのヘッドの形にもいろいろ…

その5 ナミ

北 アクセスのマニュアルを作って下さい、とCDを渡されたけれど、私のPCにはアクセスは入っていないと赤城さんに説明したら、緊急用の携帯に電話が掛かってきて、暗ああい女の人の声で「他の人のPCには入っているはずなのでハードごと交換するか部屋を替えて…

その4 分かるかな

寒い、って 寒い、ってこの人に訴えてもムダ、って最初から分かってた。なんせ口癖が「よく分からないんですけど」だから。 赤城さんは派遣会社の営業担当で、3日に1回やってくる。入力用のアンケートの束を持ってきたり、コピー用のCDを持ってきたり、でき…

その3 まだ寒い。

まだ寒い まだ寒いな。紫外線よけの指の出せる手袋。なんかの粗品だった。手内職してるおばあさんみたいで嫌いなんだが、そんなことも言ってられず。オフィス限定手袋として装着。ガシンガシーン。 ああ、暖かい。極楽極楽。 机を動かした分、肩には冷風は当…

その2 寒い。

寒い 寒い。カーディガンの上にフリースの肩掛けでも寒い。7月なのに。あ、7月だから冷房入ってるのか。なるほどね、って言っている場合ではなく。 冷え性でも肩凝りでもないけど、これはキツい。 とりあえず、机を後ろに下げるか。ん、机は固定されてない。…

その1 そんな三人。

さ、 さ、 さむーっ。 寒い、寒すぎる。寒過ぎる。 クーラー、直撃。 送風口のペンキは剥げかけて、黒っぽいのは、あれは黴か。 ナミの頭の真上よりやや右寄り、つまりは、マウスを握っている手の甲に冷風で直撃。 たぶん、全館用の旧式クーラーなんだろうな…

はじめに。きっかけは特になし。

ちょっと説明。 このブログの「UnknownPresence」の意味。直訳すると「知られざる存在」みたいなことらしい。 システムダウン。データ欲しいのに。助けてITサポート。チャット開ける。 その銀のボタンには「UnknownPresence」。 今はチャットに出られません…