Unknown@Presence

色々あれこれ。

この暑い盛りに危機について考えると。

今週のお題「人生最大の危機」
そんなに体が丈夫じゃなかったわりには一度も入院したことがない。一時期血圧がちょっと高かったけど、毎日計るようにしたら下がってきた。中年というより老年に近いのでコレステロールも高めだけど、体重は安定しているし血糖値も低い。
スポーツしていないのでスポーツ系の怪我もしていない。子供の頃は田舎に住んでいたので交通事故にもあっていない。最寄りの駅から実家まで、今でも車どころか人ともすれ違わない。
たぶん危機は、私の頭の上とか肩先とかを掠めていったんだと思う。それか親や友達、先生が身代わりになって跳ね飛ばしてくれたんだと思う。
私にはおじいちゃんがついている。母がよく言った。母方の祖父は私が小学校の時になくなった。きれいな白木の棺桶の中の祖父は穏やかで眠っているようで、けれど鼻の穴にはしっかりと綿が詰め込まれていて、おじいちゃんはもう息をしないのだなあ、と思った。
私の家には亡くなった弟がついている。母がよく言った。生まれてすぐ亡くなった弟の名前を、私たち家族は時々口にする。弟がいれば体の弱い神経質な長女としての私の立場は違ったろうか。そんなことを時々想像する。
亡くなった家族は守り神になる。私はそれを信じていない。亡くなった家族の方が多い国で戦乱が止まないのは何故か。幼い子供にも容赦なく自然災害が襲いかかるのは何故か。それは守り神がいないからか? 違うだろう。
それでも私は、意識を失くすほど酒を呑むのをやめた。呑まなくなったと言ってもいい。酔っ払っている時に地面が揺れたら、台風がコースを変えたら、春なのに雪が降ったら。
守り神がいるとしても、それにすがらずにすむように。
もういい年なんだから。